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組織風土や制度だけじゃない!社員の主体性を伸ばす、コミュニケーションの4つの仕掛け

#コラム

組織風土や制度だけじゃない!社員の主体性を伸ばす、コミュニケーションの4つの仕掛け

こんにちは。リディラバの石井です。突然ですが、どの企業においても、人事部門や管理職が社員に求めることとは何でしょうか?

答えは、企業の成長・価値を高めることを目的とした社員一人ひとりの成長です。個人の学びや気づき、スキルアップをいかにビジネスの現場で発揮するかを支援することが、企業の成長につながります。これこそが、人事や管理職が人材育成において最も関心を持つポイントです。

では、社員一人ひとりの成長のカギは、一体何でしょう?
技能のインプット、ロジカルシンキング、アウトプットの機会,,,思い浮かべるだけでも多岐にわたりますが、今最も重要とされるのは「主体性」ではないでしょうか。誰かの指示があって初めて行動するのではなく、自ら考え行動する「主体性」こそ、社会の移り変わりが激しいに最も求められているものであり、社員一人一人の成長のカギであると言えます。

実際に、この「主体性」を高め、「キャリア自律」を促す手段として、近年では1on1ミーティングやOKR(Objectives and Key Results)など、解決策の手数自体は増えています。一方で、実際に取り組んでみると、中々うまくいかない難しさを実感されている人材育成担当・管理職の方は多いのではないでしょうか。

今回は、この難しさを乗り越え、社員の主体性を高めるコミュニケーションの4つの仕掛けについて解説します。

目次

主体性を高める打ち手が、うまく作用しない背景

  • リディラバが考える、個人の主体性を高める4つの仕掛け
    • ①思いを口にすることを良しとする、心理的安全性の高い場づくり
    • ②『個人』の目標設定にフォーカスをする
    • ③自己決定の機会を意図して作る
    • ④小さな挑戦の場を増やしていく
  • 社内の体験だけで、本当に主体性は芽吹くのか?

主体性を高める打ち手が、うまく作用しない背景

まずはじめに、社員の主体性を阻む原因には、どんなものがあるのでしょうか?代表的なものに、【トップダウン型の意思決定】【組織主語の目標設定】などが挙げられます。

・トップダウン型の意思決定
上層部が重要な意思決定をし、その判断に基づいて組織が動くというスタイルは確かに効率的ですが、社員個々人が「自ら考えて」「行動を起こそう!」という主体性を奪ってしまいます。

・組織主語の目標設定・評価制度
組織全体の目標や評価を意識させることはもちろん大切ですが、仕事の目標設定や人事評価が組織主語の視点のみで行われると、社員一人ひとりは自分自身の課題として捉えることが難しく、個々人の成長を阻害します。

これらの組織風土や制度を変革すべく、多くの企業がキャリア面談や1on1の機会を設けるなど、人材育成部門の努力も見られます。しかし、組織の仕組みを整えるだけでは社員の主体性を伸ばしきれない難しさを抱えています。

リディラバが考える、個人の主体性を高める4つの仕掛け

ここまで、組織内の風土や評価制度が、皆さまの「主体性を高めたい!」という思いを阻害している事をお伝えしました。読んでいただくと、「制度や風土を、今すぐ変えられない!」と思う方もいるかもしれません。
しかし、変化をつくることができるのは大きな風土や制度の枠だけではありません。今回は、これまでに社会課題を起点に、学生や企業人の主体性を高めてきたリディラバが考える、『今日から変えられる、主体性を高めるコミュニケーションの小さな仕掛け』について解説していきます。

①思いを口にすることを良しとする、心理的安全性の高い場づくり

自分自身が心の底から思っている事を発言でることで、初めて組織の中での主体性の萌芽は起こります。逆を言えば、他者からの評価は主体性だけでなく、個人の発言すらも阻む要素となります。これは、個人が自分の意見や考えを表明する際に他者からの批判や否定を恐れるためです。
まずは小規模から、メンバーが自由に意見を言える文化を作り、「なぜそう思うのか」「実はこう考えている」と言える場を確保することが大切です。これにより、社員がの評価を自身の考えやアイデアを積極的に発信し、失敗を恐れずにチャレンジできる土壌を作ることができます。

②『個人』の目標設定にフォーカスをする

主体性とは、他者からの指示や管理を待つのではなく、自ら進んで行動し、意思決定をする力のことです。そして、行動や意思決定の先には、個々人が掲げる目的や目標の明確化・精緻化が必要になります。
取り組むべきアクションは、メンバーが自分自身のキャリア目標や価値観に基づいた目標を設定するプロセスを支援することです。組織全体の目標を見据えながらも、まずは目の前の社員を主語にした目標に焦点を当てること、そのうえで組織の目標の重なりを見出すサポートをすることが、社員一人一人の主体性を高めることができます

③自己決定の機会を意図して作る

自ら課題を定義し、解決策を探ることは、自身の仕事に対するオーナーシップを育みます。
ここでは、掲げた個人の目標と適性を踏まえ、本人の挑戦に対して適切な業務を切り出すことで、与えられた領域で自己決定の仮説検証を重ねることができます。

④小さな挑戦の場を増やしていく

主体性は、一朝一夕では生まれることはありません。そのため、主体性が高い状態をつくるためには、小さな挑戦や試行錯誤、粗々な状態で外に出す練習を繰り返す場をつくることが大切になります。短期間で良質なフィードバックを得ることが、学びの質を高め、主体的な成長を加速させます。特にここでは、未完成や失敗を許容し、そこから学ぶことを促すことが大切です。

これらの4つのステップは、手前の要素が次の要素を支える形となり、主体性を高めていくことができます。

評価制度や新たな組織変革というハードな部分だけでなく、組織のメンバー一人一人が思いを発言しやすい組織風土・メンバー同士のコミュニケーションの緻密さといったソフトな部分の両輪が回ることで、真に主体性が高まり続ける組織になることが可能です。

社内の体験だけで、本当に主体性は芽吹くのか?

この様に、主体性のカギは、「心理的安全性」と「自ら決めて」「小さな挑戦を重ねること」であるとわかりました。大切なのは、制度・風土とコミュニケーションの両輪が正しく作用することで、初めて主体性を高める施策の効果が発揮されるということです。

一方で、この2つは金科玉条のごとく従っていれば、自然発生的に社員の主体性が高まるわけではありません。

  • 求められる、特定の人材を対象とした戦略的な進め方
  • 社内で一から主体性を高めていくためのコスト的なハードル
  • 社内の慣れ親しんだ環境の中だけで、組織の当たり前から脱却する難しさ

乗り越える壁が多いけど、どうにかしたい!そんな難しさを抱える人材育成担当・管理職のお悩みに応える手段の一つが、越境学習です。

越境学習とは、

  • 慣れ親しんだ会社の外に飛び出して、
  • 未知の領域に未知のメンバーで、ゼロベースで向き合い、
  • 強烈な体験・経験と、発信→FB→内省のサイクルを回し続けることで、

“当たり前だと思っていたこと”が揺さぶられる経験のことを言います。
この、常識が通用しない環境や、誰も正解を与えない中で他でもない自分が進めなければならない状況が、企業人の主体性を向上させます。

リディラバでは、『​​フィールドアカデミー』と呼ばれる、経済産業省「未来の教室」実証事業から生まれた、企業人が慣れ親しんだ会社の外に飛び出して、社会のリアルな課題にゼロから挑む、越境型の人材育成プログラムを提供しています。

生々しい社会課題の中から、自分達が取り組みたい/取り組むべきと考える課題を特定することからはじめ、自らの答えで社会にインパクトを残すまでの過程を3か月という長い時間をかけて行います。

社会課題という正解の無いテーマだけでなく、業種混成の会社の常識が通じない環境、そして先に挙げた4つの要素を踏まえたプログラム設計を通して、社員のみなさん一人一人の「主体性」を引き出していきます。

もちろん、フィールドアカデミー以外でも、ニーズに応じたプログラムを多数ご用意・ご提案できます。もし、ご興味がありましたら、ぜひご相談くださいませ。

自律型人材・次世代リーダーの育成に|フィールドアカデミーフィールドアカデミーでは、実際の社会課題の現場を舞台に「理想状態の設定」「課題とボトルネックの特定」「解決に資する事業案のfield-academy.studio.site