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株式会社日本政策投資銀行さまと、「気候変動と産業・地域」を体感する1dayフィールドリサーチ@宮城県石巻市を開催しました!

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株式会社日本政策投資銀行さまと、「気候変動と産業・地域」を体感する1dayフィールドリサーチ@宮城県石巻市を開催しました!

このコラムでは、株式会社日本政策投資銀行さまに向けて、宮城県石巻市を舞台に開催した社会課題1dayフィールドリサーチについて、ご紹介します。

リディラバ・企業研修チームの清水です。
リディラバでは、会社ごとの課題感・目的に合わせてオーダーメイド型の越境学習・研修機会をご提供しています。

今回は、株式会社日本政策投資銀行の有志の皆様をお連れし、気候変動や産業構造の変化が地域・産業にもたらす課題について構造把握・体感することを目的として、宮城県石巻市にて1dayフィールドリサーチを実施しました。

今回のフィールド:宮城県石巻市について

石巻市は、世界三大漁場とされる三陸金華山沖にほど近く、日本でも有数の漁獲量を誇る「水産業」が盛んな地域として知られています。

しかし、2011年の東日本大震災による被害、かねてより顕在化しつつあった担い手の高齢化・人手不足、そして気候変動による水環境の激変などが重なり、水産業のサステナビリティは日に日に厳しさを増しているといわれています。

今回は、石巻市で震災以来一貫して現地で事業活動を行っている一般社団法人フィッシャーマン・ジャパンに全面協力いただき、現場視察、地元プレイヤーへのヒアリングやディスカッションから成る1日完結の体感プログラムを開催しました。

プログラムパートナー:一般社団法人フィッシャーマンジャパン

フィッシャーマン・ジャパン公式サイト

フィッシャーマン・ジャパンは、地元漁師などで2014年に結成さ水産業経営体への伴走支援、販路開拓、担い手発掘・育成、環境資源に関する調査れた団体で、従来の漁業に対する「3K=キツい、汚い、危険」のイメージを「新3K=カッコいい、稼げる、革新的」に変革し、東北から日本・世界へ新しい漁師の形(フィッシャーマン)を提言することを目的としています。

研究など、多彩で魅力的な事業活動を通じて、水産業を持続可能にすることを目指した組織です。

日本政策投資銀行さまのご要望と実施内容について

日本政策投資銀行さまは今回、机上・日常業務だけでは得がたい「気候変動が産業にどのような影響を及ぼしているか」「地域産業の実態はどうなっているか」等に関する知見・肌感を得て、今後のサステナビリティ戦略に活かすことも見据え、現地にお越しいただきました。

また、株式会社IHIさま・水ing株式会社もお誘いいただき、特にネイチャーポジティブ・ウォーターポジティブの観点から企業間の事業連携を構想・加速させる機会としても活用いただきました。

現地では、フィッシャーマン・ジャパン(FJ)の事務局次長を務める松本裕也さん、そしてFJと連携して漁師をしながら各種事業に取り組む一般社団法人はまのねの亀山貴一さんから、水産業の構造的な実態、現在に至る歴史的変遷や、FJ・はまのねの活動とその目的について対話。

その後、「気候変動・産業変化が地域に及ぼしている影響」を体感する現場として、桃浦エリアの漁場・山林を視察しました。

現地で林業に従事しながら、山林や産業の構造的な課題を伝える活動を行っている、合同会社もものわの森さんに現場をご案内いただきました。

また、地元で漁師を務める土橋さんにもお越しいただき、漁師としての生き方・暮らし方や現場から見える景色についてもお話しいただきました。

地域で伝わっているという「山が枯れたら海が枯れる」を如実に体感できる場所で、「水産業」←「海洋資源」←「森林資源」←「林業」←「日本全体の人口動態・産業構造」といったすべてが連関している構造的な課題のありようを、生きた知見として知ることができました。

社会課題の世界は、原因と結果が1:1対応のようにわかりやすく理解できることの方が少なく、実態としてはきわめて複雑で循環的・再生産的な原因構造が、さまざまな結果につながっています。

こうしたネットワーク構造を、現地で「構造」と「実働」の両方にコミットしている事業プレイヤーから伺うことで、課題構造の把握だけでなく「事業を通じた解決の兆し」まで体感することができ、会社に帰ってからの考え方・景色が変わったという声を参加者からいただいております。

「社会課題を解決したい」「ハートに火がつきました」参加者の声をご紹介します

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山林や海の環境課題について知識としては知っていたものの、実際に現場の漁師の方々が感じている課題を聞き、山に入り木々を目で見て土を触ることにより、リアルにかつ自分事として感じることができた。初めて「ネイチャーポジティブ」の意味を理解できたような気がしており、プログラム全体を通して印象的だった。

デスクトップリサーチ(ネット、書籍)では得られない原色の課題や取組に触れることは、これまでは知っているつもり・わかっているつもりだったのだと、自身の解像度が180度変わります。

企業が考えるソリューションなどのマクロな展開、そして現地で生じているミクロな展開、マクロとミクロを相互に往復して発想できるようになるためにも、プログラム参加して直接色々なことを見聞きして触れることは非常に大きな糧となりました。

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率直な感想として、技術者として日本の社会課題解決に向けて、こんな自分でも何か貢献してみたいと感じました。今まで製品設計・開発という机に向くことが多い職種故に社会の持続性や環境配慮という言葉などもあまり腹落ちしていませんでした。石巻で起こっている社会問題もTVの中の話のように感じていました。しかし今回のプログラムを通して、林業、漁業における「人口減少」・「環境変動」・「資源枯渇」などの情報の解像度が大幅に上がり、リアルに危機感を感じることができました。

自分の技術者としてできることで、社会課題を解決したいです。ハートに火がつきました。

このプログラムで本気で社会問題を解決してみたいと思うようになりました。経験してみないとわからないことはあるのだと改めて実感しました。

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リディラバのプログラムに参加すると、社会課題について理解を深めるために参加したはずが、直接現場で課題を見聞きすると更に複雑な課題が見えてきて、何が正解なのか一層分からなくなる感覚があります。でもおそらくそこにこそ、日々の業務や期限等に追われる中で安易な答えを出したりするような自己満足や短絡的な解決ではない、本物の思考力が問われるこのプログラムの得難い本質があるように思います。本当におすすめです。

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リディラバでは、会社ごとの課題感・目的に合わせてオーダーメイド型のプログラム開発を行っております。

ぜひ、以下よりお問い合わせ・資料請求をお待ちしております。