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日本情報通信株式会社と、若手社員(選抜層)向け課題解決プログラムを開催しました!

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日本情報通信株式会社と、若手社員(選抜層)向け課題解決プログラムを開催しました!

このコラムでは、日本情報通信株式会社さまの若手社員(選抜27名)に対して実施した3日完結の課題解決プログラムについて、目的・内容・導入企業の声などをご紹介します。

リディラバ・企業研修チームの清水です。
リディラバでは、会社ごとの課題感・目的に合わせてオーダーメイド型の越境学習・研修機会をご提供しています。

今回は、日本情報通信株式会社の若手社員(選抜27名)に対して、これからの会社を牽引するビジネスモデル変革の起点となる社員育成を目的として、3日完結フィールドリサーチを実施しました。

年齢・職種横断で4-5名ずつのチームを結成し、3日間のプログラムを通して課題解決のための仮説立案・検証を行い、最終日には日本情報通信の役員もお招きした最終発表会を開催しました。

プログラム実施に至った背景は何か?
具体的にどのようなプログラムを実践したのか?
参加者に生まれた変化はどのようなものか?

などについて、以下のコラムでご紹介いたします。

実施背景 ―ビジネスモデル変革を牽引する人材育成

日本情報通信・エンタープライズ第一事業本部では、2024年度を「ビジネスモデル変革元年」と位置づけ、変化していく社会・事業環境に対応してビジネスモデルの変革を主導・牽引できる若手社員の育成に取り組んでいます。
同本部の事業領域においては、社内の事業企画・営業・SEの相互連携や、顧客の課題感に対するアクティブな提言が今後ますます不可欠となるため、社内外の多様なメンバーと目的逆算で自律的に行動できる人材養成が、ビジネスモデル変革の1つの重要なキータームとして定められています。

ビジネスモデル変革を牽引できる若手社員を育成すべく、同本部ではターゲット層を大きく3つに分け、各階層で人材選抜と各種プログラムの企画・運営を実行しています。

今回、リディラバと協働して開催した課題解決プログラムの対象者は、20代~30代の選抜社員27名です。普段の業務とは異なる環境・異なるメンバーで4~5名ずつのチームを結成し、実際の社会課題解決に挑むことを通じて自律的に行動する実地経験を得ることを目的として、リディラバのプログラムを導入いただきました。

なぜ「社会課題解決」をテーマにしたか?

日本情報通信さまに、若手社員育成のフィールドとして「社会課題解決」を選んでいただいた狙いは、大きく3つあります。

1つ目の狙いは、日常業務とは異なる世界を取り扱うことを通じた、普段の経験・スキル・知識から離れてゼロべースでチャレンジできる機会の提供です。

慣れ親しんだ業務プロセスや指示系統に従う方法ではなく、議論の進め方・提言の作り方も含めて自分たちで考える経験を通じて、これからの事業環境を自ら切り開ける人材の育成を目指しました。

2つ目の狙いは、社会課題解決を実践しているトップランナーとの出会いを通じた、刺激的な体験設計です。

社会課題解決の世界には、社会のニーズ起点で自ら事業をゼロから創り上げ、多様なステークホルダーと協働しながら社会に実際にインパクトを引き起こしているトップランナー(起業家・経営者)がいます。ビジョン・事業ともに一流のプレイヤーと出会うことで、若手社員の自律的なマインドを喚起することを目指しました。

3つ目の狙いは、業務外でチャレンジしつつ自身の役割・キャリアを内省できる機会提供を通じた、ワークエンゲージメントの向上です。

刺激的な体験やゼロベースでチャレンジできる機会を通じて、参加者ひとり一人の自主性を涵養し、自社・自業務における自分の役割を「自分の言葉で」再定義していただくことを目指しました。

プログラムテーマ「食品ロス」 ―構造の根深さと起業家のチャレンジ―

今回のプログラムは、テーマを「食品ロス」に定め、問題の構造的な解決に挑む株式会社日本フードエコロジーセンター・代表取締役の髙橋巧一氏に全編を通して伴走いただきました。

日本国内だけで年間472万トン(令和4年度・農水省調べ)とされる「まだ食べられる食品」の廃棄は、単にもったいないという話のみにとどまらず、日本の安全保障や産業構造のサステナビリティにも直結する、極めて重要な問題です。
しかし、様々なステークホルダーが複雑に関与しているために根本的な解決が難しいことも同時に指摘されている、難易度の高い領域でもあります。

2005年に事業を開始した株式会社日本フードエコロジーセンターは、食品工場や小売店などから有料で回収した食品残さを、独自の技術によって豚のリキッド飼料に転化し、養豚農家に販売するビジネスモデルを実践しています。
また、2021年にはさがみはらバイオガスパワー株式会社を設立し、飼料製造だけでなくバイオガス発電・肥料製造の取組みを開始するなど、リサイクルの事業化を通じて徹底した循環型経済の実現を目指しています。

内閣府主催・第2回SDGsアワードで最高表彰(内閣総理大臣賞)を受賞する他、毎日のように国内外からメディア・自治体・企業・政府関係者が工場を訪れており、サステナブルな事業モデルとして世界的に注目されている企業です。

株式会社日本フードエコロジーセンター・代表取締役の髙橋巧一氏

日本フードエコロジーセンター・さがみはらバイオガスパワーの両社で代表取締役を務める髙橋巧一さんは、サステナブルな事業を通じた社会課題解決を日々実践しているトップランナーです。
食品ロス問題の構造的な要因や、各ステークホルダーの実情、そして事業化のためのブレークスルーポイントなど、多方面に知見と実績を有しており、国連・G7など国際的な会合における講演や日本政府への助言・政策提言などにも尽力されています。

今回のプログラムでは髙橋さんに伴走いただくことを通じて、食品ロス問題を多角的・構造的に捉えつつ、ビジョンを見据えながら解決の兆しを構想・提言する課題解決プログラムを実現しました。

プログラム内容 ―3日間で徹底した仮説検証を実行―

今回のプログラムは、DAY1・DAY2を2日連続で実施した後、日を空けてDAY3を開催する、延べ3日間のスケジュールにて開催しました。

【DAY1(2025年2月13日)】


  • チームビルディング
  • OBOGセッション(※1)
  • 事前課題のシェア/仮説立案グループワーク(※2)
  • 食品リサイクル工場の現場探索
  • 髙橋さんとの対話を通じた仮説検証
  • 振り返り/内省セッション

※1:リディラバが過去に開催した他社の課題解決プログラム経験者をゲスト招致し、社会課題に向き合うときの視座、チームワークにおいて大切なことなどをご自身の言葉で語っていただきました。
※2:参加者に対して、「問題を構造化するハウツー」と「食品ロス問題に関する参考資料」を掲載した事前課題を配布。各自でリサーチ内容を持ち寄って議論を開始することで、素早い仮説立案を促しました。

【DAY2(2025年2月14日)】

  • ゲストヒアリングセッション(※3)
  • 提言立案グループワーク
  • 中間レビュー会(※4)
  • 振り返り/内省セッション

※3:食品ロス問題の分析・解決に携わるプレイヤーを多方面から招致し、参加者が自由に双方向で対話できるセッション。大企業・起業家・専門メディアのゲストをお招きし、多角的に問題の本質を捉える機会となりました。
【お招きしたゲスト(順不同)】
・日報ビジネス株式会社 編集部部長 新倉 充 氏
・株式会社コークッキング 代表取締役 CEO 川越 一磨 氏
・小田急電鉄株式会社 経営戦略部(サステナビリティ担当)課長 白木 裕子 氏
※4:各チームから提言案をショートピッチにて発表し、髙橋さん・リディラバからレビューを実施。短いプログラム期間の中でリーンに仮説検証を深化することを促しました。

【DAY3(2025年3月10日)】

  • 最終発表会
  • これまでの経験を振り返るワークショップ
  • 自身のネクストアクションを構想するワークショップ
  • ネクストアクションを参加者全員が1人ずつ宣誓

最終発表会では全6チームから提言が発表され、髙橋さん・リディラバから提言1つひとつに対してフィードバックを実施しました。また、日本情報通信・エンタープライズ第一事業本部の役員にも陪席いただき、提言に対する総評や若手社員に向けた激励コメントをいただきました。

プログラムの最後には参加者1人ひとりが、今後の自身のネクストアクションを宣誓することで、経験の内面化と仕事やキャリアへの接続を行いました。

参加者の声 ―刺激的で新しい経験を通じたスキル/エンゲージメント向上―

「参加前と比べ、普段の業務から何か新しい価値を生み出せるよう取り組みたいという考えが強くなった。新しい価値・課題を見つけられるよう、自分を磨いていきたい」

「物事を様々な視点から見ることは難しく、なかなかできていなかったが、解決策は必ずしも一つではないと思う。だからこそ、行き詰まったときに違う視点で物事を見る力が大事だと気付いた

「話し合いなどでは本音を言い合う事で自分が納得いく結果になると思うので、業務でも自分の意見を出していきたいと感じた」

「参加前は課題に対して、その本質と解決策を浅く考え、決めつける(深く考えていない)傾向にあった。しかし現在では、『本当にそうなのか?』『なにか他に関係しているものはないか』と疑うプロセスが自分の中で生まれたことが大きいと感じる」

「参加前は『構造化への苦手意識』をもっていたが、目的を持った適切な情報収集と仮説検証を繰り返すことで、全体像を構造化して捉えるコツをつかんだ感覚がある

「髙橋社長は、あらゆるステークホルダーを巻き込んで持続可能な事業としての取り組みを続けており、その広く深い視点には単純に感銘を受けた

「ステークホルダー川越様との対談の中で、『そのアプローチでは改善されないと判断し、違ったアプローチを探す』という社会を変えるというミッションに対する当事者意識に心を動かされた

導入企業ご担当者さまの声

日本情報通信株式会社
エンタープライズ第一事業本部 事業企画部 事業推進グループ
担当課長 伊藤 典俊 様

 今回、リディラバ様の「若手社員向けプログラム」を、リディラバ清水様・夏目様、弊社メンバー長尾と私の4人で、何度も議論・検討を重ね入念な準備をして実施させて頂きました。
 実施前に、リディラバ様の過去の研修実績などの情報を見聞きし、また実際に研修を見学させていただきましたので、今回の研修にも相当高い期待をしておりました。
 そして、実施した後の正直な感想を述べさせて頂くと、期待を遥かに超える3日間でした。
最終日(Day3)に参加者全員に「今後どのような意識で行動をしていくか」という”宣誓”をしてもらったのですが、研修受講前とは別人のように頼もしく力強く自分の言葉で堂々と話していて、受講生全員の成長と確かな可能性をひしひしと感じました。
 私なりになぜこの研修がここまで手ごたえ・成果があったのか、をひも解くと、以下の点が挙げられると思います。

① JFEC・髙橋さんの、生き様・実践力・説得力・傾聴力・柔軟さ
② ヒアリングゲストの皆さまの、実践に基づくリアルなお話の力
③ リディラバ清水さん夏目さんの、開催前(準備)から最終日までを通して一貫してブレなかった本気度・真剣さ
④ 日本情報通信参加者(若手社員27名)の、通常業務に一切引きずられることなく真剣に誠実に研修に向き合った姿勢

弊社としては、「ビジネスモデル変革元年」と位置付けた2024年度にこのような実り多い研修を実施することができ、当初目的であった「実際の社会課題解決に挑むことを通じて自律的に行動する実地経験を得ること」は十二分に達成しお釣りがくるような果実を得られた、と感じております。
この場を借りてお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


リディラバでは、会社ごとの課題感・目的に合わせてオーダーメイド型のプログラム開発を行っております。

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