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課題解決に関心のない中学生がワクワクする!3年間のカリキュラムの工夫とは?

#導入校の声

課題解決に関心のない中学生がワクワクする!3年間のカリキュラムの工夫とは?

2022年度の学習指導要領から、高校で「総合的な探究の時間」が導入されました。それに伴い、中学校でも社会課題等の課題解決に取り組む学校が増加しています。

しかし、課題について探究することの意義や重要性については学校ごとにさまざまな特色があります。今回は、神奈川県にある私立中高一貫校「山手学院中学校様」のカリキュラムと先生の思いをご紹介します。

小原先生には、中学3年生にリディラバのスタディツアーを利用していただきました。



こんな先生におすすめ

✔︎探究学習やキャリア教育の担当の先生
✔︎学校内で新しい取り組みを実践してみたいが保護者や周囲の先生の同意を得ることに苦労している先生

山手学院中学さまについて

・神奈川県の中高一貫校
・”「未来への夢をはぐくみ、その夢の実現をたくましくになっていく人」
すなわち「世界を舞台に活躍でき、世界に信頼される人間」を育成する。” を建学の精神として掲げる
・国際的な教育に力を入れ、中3でのオーストラリアホームステイや高2での北米研修プログラムなど、多種・多様なプログラムを展開する

山手学院中学校・高等学校ホームページ

課題解決にワクワクできるようになる!3年間のカリキュラム

ーー山手学院中学校の生徒さんは、非常にレベルが高く意欲に溢れた生徒さんが多いと感じました。入学から中3までの3年間はどのようなカリキュラムなのでしょうか。

インタビューに答える小原先生

山手学院では、目先の大学入試で漠然と「良い大学に入る!」ということを目標に勉強するのではなく、その先の将来でどんな課題を解決したいのか?というゴールから逆算して、自分のキャリアを考えられる生徒を育てたいと思っています。

そのために、私の学年では「解決したい課題」を発見できるような機会をたくさん作っています。

しかし、中学生にとっていきなり「社会課題」と言ってもなかなかピンとこないのが当たり前です。

だから最初は興味を持ちやすいように、課題解決やイノベーションに取り組む”人”のストーリーを知ってもらうことから始めます。

“人”のストーリーを知ることから始める

いきなり問題に興味を持つことは難しくても、具体的な人のストーリーをイメージする活動であれば楽しんでくれる生徒が多かったです。

たとえば「チキンラーメンを開発した人の人生」とか。

あのチキンラーメンが生まれた背景にはこんな人のこんな苦労があったんだとか、人を中心に伝えます。

中1ではこのように”人”に引きつけて社会に触れてもらいます。いろんな仕事をしている方を学校にお呼びし、その人の人生を語っていただきました。

次に中2では”課題”に引きつけます。

講師をお呼びし社会課題について講義を受け、生徒は解決方法を考え発表します。

ただし、いきなり自分と遠い課題を取り上げても、自分ごととして考えることができないので、課題設定を工夫しました。具体的には、学校や生徒に身近な問題をミッションとして設定し、その問題について考えてもらうようにしました。

実際の例だと「最寄駅から学校までの通学路で広がり歩きをなくす方法」などを生徒自身に考えてもらいました。

また、課題を設定して後は生徒に丸投げではなく、その課題の解決策を考える「考え方」についてもワークシートなどを学校独自に作成して生徒にレクチャーを行いました。

(イメージ)山手学院中学校の探究学習カリキュラム

ーーたしかに実際に参加してくれた生徒さんたちを見て、課題の深堀りの方法など「慣れているな!」と感じたのを覚えています。
ぶっつけ本番でできたのではなく、1年間かけて実践してきた学習が活きているのですね!

最近は小学校でもグループワークを行うので、グループワーク自体は慣れている生徒が多いのですが、課題を整理する力はまた別で練習が必要と感じます。

ですので、練習としてとことん身近な課題から取り組んでもらうようにしました。

中1、中2の間は比較的身近なテーマから、まずは課題解決って楽しいんだなと思ってもらえるような学習を行い、中3になると教員側がテーマや考え方を与えながら学ぶのに対して、中3は能動的に自分で行きたい場所を選び、問題の現場を見に行きます。

現場を見に行くと、課題や解決策が現実的になります。

山手学院は受験のための勉強でなく将来の課題解決のための手段として日頃の勉強を頑張ってほしいと思っています。

だから、生徒たち自身が将来何かの課題解決に携わる姿をイメージするために現場を見るというのは非常に重要です。

そのような背景もあり、リディラバのスタディツアーを導入させてもらいました。

ーー小原先生のおっしゃる、現場を見る重要性を考えると学年全員でスタディツアーに行く方が良いと感じますが、今回希望制としたのはなぜでしょうか。

本当は学年全員で行きたかったんです。

でも、行事等の兼ね合いでできなくなってしまいました。でも、希望制だったらできるかもしれない!と思い、企画しました。

実際に参加希望者を募集してみたら、約200人のうち約60人が参加しました。

ーーリディラバのスタディツアーは学年全員で参加される学校がほとんどなので、希望制と聞いて最初少し驚きました。

もちろん他校では勝手が異なると思いますが、本校ではもともと社会課題に関する学びの積み重ねがあったため他の先生方の同意もスムーズに得られました。

将来解決したい課題から逆算して進路を考えるようになる

ーーこのスタディツアーを通じて、生徒にはどんな変化がありましたか。

全体的に、生徒の発言が具体的になりましたね。

本校は中学生のうちから志望大学について考えさせるのですが、「◯◯の問題に取り組みたいからこの大学に興味がある」などと将来の目標から逆算した意見を言うようになります。「有名だからこの大学に行きたい」などとふわっとした意見を言いがちな生徒も変化します。

教科学習にも効果がありました。例えば、レポートなどに取り組んでもらっても具体的な社会課題をテーマに書いてきたり、発言するのが当たり前になっていきます。

ーー今回は、「将来解決したい課題から逆算して自分のキャリアを考えられる生徒を育てたい」という小原先生の思いと、実際のカリキュラムについてお伺いしました。

後編では、小原先生がカリキュラムを導入する際に周囲をどう説得したのか?に迫ります。


▼後編「社会課題の現場に足を運ぶこと」を生徒・保護者・他の先生に納得してもらうためには!?

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