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フィールドアカデミー2025『子どもの未来と地域社会』中間発表実施レポート

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フィールドアカデミー2025『子どもの未来と地域社会』中間発表実施レポート

リディラバでは、社会課題解決のプロセスを通じた、他業種合同の自律型人材育成プログラム:フィールドアカデミーを開催しております。

このレポートでは、2025年5月から9月の4ヵ月間にわたり「子どもの未来と地域社会」をテーマに取り組んできたプログラムの一環として、8月1日(金)に開催されたフィールドアカデミー中間発表の様子をお届けします。

フィールドアカデミー2025『子どもの未来と地域社会』の概要

フィールドアカデミーとは、大企業のビジネスパーソンがチームを組み、社会課題解決のプロセスを通じて、自律型リーダーを育成する越境学習です。参加者は、全8日間延べ4ヵ月のプログラム期間を通して、課題を自ら設定し、解決策の提言(+営業活動やPoC含む)まで実施します。

フィールドアカデミー2025『子どもの未来と地域社会』全体行程

2025年度の1回目となる今回は、「生まれ育った家庭や環境に関わらず、だれもがしあわせに生きていける社会の実現」を目指して活動するChance For Allをプログラムパートナー 兼 最終提言先として協働。正解のない社会課題に向きあうことを通じて、自律的なリーダーシップを育むことを目的に、参加者はCFAが取り組むべき課題と解決策の模索に挑みました。

中間発表に至るまでの5日間では、参加者はデスクリサーチやフィールドワークを重ね、子どもや地域社会に関わる多様なステークホルダーとの対話を行いました。

中間発表の全体概要

中間発表は、全8日のプログラムのうち、6日目に位置づけられたセッションです。参加者が、①これまでの3ヵ月を通じて築き上げた現時点のベストな提言を発表する場であり、②講評者との対話・フィードバックを踏まえ、1か月後に控えた最終提言に向けて提言の質を深化・加速させるプログラムのターニングポイントとなっています。

【実施概要】
・時間:8/1(金)10:15-13:00
・場所:【現地】ヒカリエカンファレンス
    【オンライン】Zoom
・テーマ:『子どもの未来と地域社会』
・プログラムミッション
    :異色の学童保育プレイヤーによる、全ての子どもに居場所と笑顔を届ける挑戦。
     Chance For Allが取り組むべき課題を特定し、解決策を提言せよ。
・現場:特定非営利活動法人Chance For All(https://chance-for-all.org/)
・参加企業:5社13名
(花王グループカスタマーマーケティング、丸井グループ、アイシン、三五、日野自動車)

参加者は各チーム3〜4名、全4チームに分かれ、1チームあたり30分(発表10分+対話20分)の持ち時間で、講評者に向けて提言を発表します。

講評者には、最終提言先であるChance for All代表理事・中山勇魚氏に加え、Ridilover代表・安部敏樹石川県副知事・浅野大介氏の3名をお迎えしました。異なる立場から社会課題に深く関わる講評者より、最終発表に向けた提言の実効性を高める鋭いフィードバックが寄せられました。

フィールドアカデミー2025(子どもの未来と地域社会)講評者

中間発表で、参加者はどんな提言を発表するのか?

イントロダクションとして、リディラバ石井による、テーマである「子どもの未来と地域課題」に関するブリーフィングからスタート。その後、各チームより、これまでの3ヵ月を通じて磨いてきた提言の発表と、発表内容を踏まえた講評者との対話が行われます。

発表の様子

今回のプログラムのミッションは、子どもや地域社会の課題に向き合うプログラムパートナー:Chance For Allに対し、取り組むべき課題を自ら設定し、その解決策を提言することでした。リディラバからの指定はこの一点のみ。以下が、各チームが掲げる提言の一例です。

  • Aチーム:足立隅田エリアの「銭湯文化」を切り口に、外国ルーツの子どもたちが抱える課題の解消を目指す提言
  • Bチーム:困りごとを抱える中学生に向けた、社会的な受け皿としての居場所づくり
  • Cチーム:プレイワーカーを中心とした、外遊びにおける暑熱対策などの子ども向け啓発スキームの構築
  • Dチーム:幼児期の児童を対象に、企業による「本の読み聞かせ」人材育成研修の提言
参加者による提言の一部

取り組む課題の設定や解決策は、参加者が掲げる理想に則って、各チームに委ねられています。そのため、提言の内容は多様性に富んだものとなっています。

提言の質を向上させる、講評者3名によるフィードバック

各チームの発表を経て、講評者3名から総評が行われます。各チームの提言内容を踏まえ、「今の提言をより実証可能にするためにはどんな視点が必要か」という観点からフィードフォワードがなされるとともに、最終発表に挑む参加者へのエールが送られました。

リディラバ安部からは、「課題が正しく定義されていて、その課題にピンポイントで刺さるソリューションこそ、求められる。僕自身は創業当時、スタディツアーは“続かない”と何度も言われました。でも、課題解決に本当に意味があると信じたから、15年続けてこれている。『課題としては存在しているけど、ソリューションはない』その“差分”を埋める解決策を作ること、そこに集中してほしい。」と、自身がリディラバで事業を立ち上げた頃の経験を振り返りながら、真に求められる解決策とは何かについてのアドバイスが送られました。

石川県副知事・浅野氏からは、参加者に向けて「大事なのは、課題の見極め。課題の裏にある構造や対象となる人のイメージにもっと迫ることや、また、“こうすればこうなる”という因果の仮説を、『本当にそうなのか』と仮説検証に磨きをかけることが大切。これは社会課題の解決に限らず、行政の取り組みも、そして皆さんが企業活動でもやっている生活課題の解決でも、同じように求められている。この機会に、さらに磨き込んでほしい」と、社会課題解決だけに限らない、ビジネス上の課題解決にも通じる視座・視点を示して頂きました。

石川県副知事 浅野さま

石川県副知事の浅野氏からは、「まずは課題の見極めが大事。社会課題にも、生活課題にも、表層には表れない構造が必ずある。それを奥深く見つめる視点を大事にしてほしい。その上で、『顧客のターゲットは誰か』を捉え、セグメントを見極めることが必要になってくる。最終的には、その課題・ターゲット設定が打ち手と論理的な因果関係を持っているのかを仮説検証してみてほしい。」と参加者を後押しするメッセージをいただきました。

(左から)Ridilover代表 安部敏樹 / Chance for all 代表理事 中山勇魚さま 

リディラバ安部からは、「提言を作る上で、『この解決策をやる主体は誰なのか』に悩んでいるのではないかという印象を受けた。でもその前に大事なことは、課題が定義されており、解決策がそこにピンポイントで刺さっていること。良い課題設定と良いソリューションの結果として社会をより良くする変化を生み出し、それを訴求してほしい。聞いている人、関わっている人が『あった方が絶対にいい』と思うものを作ることにフォーカスすることが重要。」とアドバイスが送られました。

最後に、最終提言先であるChance for allの中山 勇魚 氏から、
「戦後の経済成長で、飢餓や子どもが売られるといった状況はなくなったけど、今の社会では、いじめや不登校のような形で、“子どもの幸せ”をまだ実現できていない。
確かに、ニーズに応えることはすごく大事。でも、社会課題解決って、本人も課題に気づいていなかったり、社会全体でまだ課題として認識されていないことが本当に多いだからこそ、“なぜこの課題が起きているのか”“これから社会はどうあるべきか”を問い続けてほしい。この部分をもっと深く考えて、最終発表では誰が聞いても『確かにそんな社会は必要だ』『そんな解決策があってよかった』と思えるような提言を期待している。」と次回最終発表に挑戦する参加者にエールが送られ、本中間発表は幕を閉じました。


企業からのオブザーブは、現地/オンラインを合わせて70名を越え、過去最大級の盛況の中、閉幕しました。特に現地では、オブザーブ企業同士や講評者とでネットワーキングが行われるなど、企業・立場を超えた交流が行われました。

【次回予告】10/24(金)開催『フィールドアカデミー2025中間発表(限界集落と農業)』

リディラバでは、プログラムを導入済み・導入検討中の企業ご担当者に限り、担当者ご自身がプログラムを体感頂ける機会を、引き続き設けさせていただきます。次回、中間発表は10/24(金)を予定しております。

【実施概要】
・時間:8/1(金)10:15-13:00
・場所:【現地】ヒカリエカンファレンス
    【オンライン】Zoom
・テーマ:『子どもの未来と地域社会』
・プログラムミッション
    :異色の学童保育プレイヤーによる、全ての子どもに居場所と笑顔を届ける挑戦。
     Chance For Allが取り組むべき課題を特定し、解決策を提言せよ。
・現場:特定非営利活動法人Chance For All(https://chance-for-all.org/)
・参加企業:5社13名
(花王グループカスタマーマーケティング、丸井グループ、アイシン、三五、日野自動車)

また、本プログラムの模様は、【弊社プログラム導入を検討される企業ご担当者さま】に限り、アーカイブ動画を限定公開しております。実際の発表の空気感や1つ1つの提言に対するフィードバックについても収録しておりますので、ご覧になりたい方は、ぜひお気軽にお申し込みください!


その他、オブザーブの参加有無に関わらず、リディラバにご相談が有りましたら、ぜひ以下よりお問い合わせください。