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ソーシャルエンタープライズとは?その役割やNPOとの違いなどをリディラバが徹底解説

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ソーシャルエンタープライズとは?その役割やNPOとの違いなどをリディラバが徹底解説

「ソーシャルエンタープライズって何?」「どんな役割があるの?」という疑問をリディラバ独自の視点からわかりやすく解説。

ソーシャルエンタープライズの定義やソーシャルビジネスとの違い、日本での有名事例の要点まで。社会課題の現場でソーシャルエンタープライズの思考を体感できるリディラバの研修についても紹介。

目次

リディラバの”越境学習”で貴社の人材育成を
より高いレベルへブーストしませんか?

社会・市場の変化が速い今、必要なのは「早く解く力」よりも「何を、なぜ解くか」を自ら定め、社内外を巻き込んで前進させる高い当事者性です。

リディラバのフィールドアカデミーは、経産省の実証実験発の越境型プログラムです。 多業種混成チームで社外・現地のリアルな課題に挑み、WHAT/WHYの課題設定力と推進力を“現場で”鍛えます。 画一的な研修ではなく実装視点が圧倒的なわたしたちリディラバの強みです。

15年以上積み重ねてきた現場ネットワークが、机上の学びを事業の一手に変える。―まずは要点を3分でチェックしてください。

ソーシャルエンタープライズとは|定義・特徴

ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)とは、社会・環境課題の解決を第一目的に掲げ、その達成に必要な収益を自らの取引活動で生み出し、得られた利益の大半をミッションに再投資する“事業体”です。

慈善・寄付のみで運営される団体とも、利益最大化を唯一の目標とする企業とも異なり、「事業性」と「社会性」を同一の経営システムの中で両立させる点に最大の特徴があります。

上記を踏まえると私たちリディラバもソーシャルエンタープライズの一員であると言えます。

ソーシャルエンタープライズの定義:社会的課題をビジネスで解決する企業

定義となるのは次の4点です。

  1. 社会目的の最優先:誰の、どの課題を、どの水準まで、いつまでに変えるのかを定義する。
  2. 取引を軸にした持続性:補助金・寄付に依存しすぎず、顧客への提供価値に対する対価を収益の柱に据える。
  3. 利益の再投資:研究開発、品質向上、アクセス拡張、人材育成、測定体制に優先配分。英国の実務慣行では“利益の50%以上を再投資”が通念。
  4. 説明責任とガバナンス:意思決定の透明性、ステークホルダー関与、インパクトの測定・開示を制度化する。

利益は目的達成のために再投資する(ミッション優先の運営)

利益は株主還元のみを目的とせず、事業の改善・拡張、当事者へのアクセス強化、品質向上、研究開発、人材育成などミッション遂行に再配分されます。

配当方針を設ける場合も、上限や優先順位の規律を明文化し、社会目的の毀損を防ぎます。これにより、単年の利益最大化に偏らない、長期のインパクトが成立します。

寄付依存ではなく取引収益で持続可能性を確保

補助金・寄付は“事業の起爆剤”として重要ですが、収益のコアは顧客への価値提供に対する対価としての売上です。

たとえば保育・就労支援・移動支援・地域商社・アップサイクル・教育サービス等、提供価値に応じた対価を設計し、価格・コスト・キャッシュフロー・資本政策を統合的に管理します。

寄付率が高い時期でも、自立的収益比率”を高める設計へ移行する意思決定が肝要です。

ソーシャルビジネスとは?
ソーシャルエンタープライズとの違い

「ソーシャルビジネス」は、日本では広義に“社会課題をビジネスで解く営み”を指す場合が多い用語です。

一方、「ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)」は、利益再投資やガバナンスの原則まで含む“組織体”として語られることが多く、運営ルールがより厳密です。

本記事では「社会的企業=ソーシャルエンタープライズ」とし、「ソーシャルビジネス」はその広義概念として扱います。

「ソーシャルビジネス」と「ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)」の境界

両者は重なる部分が大きいものの、ソーシャルエンタープライズは、

  1. 目的の優先順位の明文化
  2. 利益の再投資原則(例:50%以上)
  3. インパクト測定・開示
  4. ステークホルダー関与

といった運営要件まで制度化している点で、実務上の精度が高いといえます。

共通要素:社会性・事業性・革新性

両概念の共通要素は「社会性(誰の、何の課題か)」「事業性(誰が何にいくら払うか)」「革新性(より良いやり方・組み合わせ・制度接続)」の3つです。

日本に単一の法的定義はない
形態よりも組織設計が重要

日本では「ソーシャルエンタープライズ」について単一の法定定義や専用法人格が存在しません。

そのため、社会的企業としての「組織の設計」が競争力になります。

定款・就業規則・配当方針・情報開示・インパクトレポート・苦情対応・取締役/評議員の構成など、合議と牽制の仕組みを整えることが、社会的信頼と資金調達の両面で効果的です。

株式会社・NPO・協同組合など多様な法人形態が可能

法人の形態選びは戦略の一つです。規制や調達、税務、採用、市場の期待、行政との連携可能性を踏まえ、どの形態が最短距離かを検討します。

たとえば、自治体連携が多いなら非営利形態が相性が良い場合もあれば、スケール資本を獲得するために株式会社が適する場合もあります。

利益配分・再投資先・ガバナンスで社会性を担保する

利益再投資比率、配当の上限、役員報酬ポリシー、関連当事者取引のルール、情報の外部開示(年次レポート/KPIダッシュボード)など、社会性を損なわないためのフェアなガバナンスを制度化します。

これらは外部に見せるだけでなく、日々の意思決定に効果的な運用ルールに落とし込むことが大切です。

海外と日本の比較
ソーシャルエンタープライズの
制度・支援枠組み

OJT

海外、とりわけ欧州と英国では、公共調達・金融・インキュベーション・法制度が社会的企業の成長を後押ししています。

日本は専用法がない一方、自治体・財団・企業・金融の連携による実装が広がりつつあります。

欧州・英国の基準と日本の現状の違い

英国では、CIC(Community Interest Company)という仕組みが普及し、資産ロックや配当の上限設定などの規律を備えています。

また、Public Services(Social Value)Act 2012により、公共調達で社会価値の考慮が義務付けられ、社会的企業の市場へのアクセスが改善しました。

EUはSocial Economy Action Plan(2021–2030)で起業・スケール支援を体系化しています。

日本は単一定義こそありませんが、逆に多様な形態の実験が可能で、地域やテーマに根差したモデルが育ちやすい土壌があります。

重要なのは「自社が何を優先し、どの制度を活用し、誰にどんな価値で選ばれるか」の整理です。

配当上限・再投資原則など海外に学ぶ運営ルール

英国CICでは、配当の上限(例:分配可能利益の35%相当の上限設定など)やアセットロックが一般的に知られており、社会貢献の一貫性と投資回収の両立を促します。

日本企業でも、投資家・金融・社員と対話するうえで、“配分の原則”を明文化することは、信頼性と資金調達の両面で効果的です。

日本での実装ポイント:資金調達・法形式・税制の視点

助成・融資・出資・売上の組み合わせを前提に、ステージによって資金構成を最適化します。

法形式は、ガバナンス要件や税制、ステークホルダーとの関係を踏まえ、最小コストで最大の効果が出る選択を行います。

成功する事業構造の5つの共通点とは?

成功するソーシャルエンタープライズには5つの共通項があります。

  1. 価値提案が明確であること(誰にどんな変化をもたらすのかがはっきりしている)
  2. 収益源を一つに頼らないこと(個人・企業・行政など複数の支え手を持つ)
  3. 制度やデータとの連携があること(根拠を持って改善できる)
  4. 信頼されるブランドや物語を持つこと
  5. データを活用して継続的に改善すること

特に採算が難しいサービスほど、企業や行政との協働によって安定的な収益を確保する工夫が求められます。

スケールの鍵:ブランド、制度連携、政策提言

“良いこと”をしているだけでは事業は続きません。 信頼されるブランドは、「当事者への深い理解」「成果の見える化」「一貫した姿勢」から生まれます。

さらに、制度連携や政策提言を通じて社会全体の仕組みを変えていくことが、事業の再現性と拡張性を高める鍵になります。

企業がソーシャルエンタープライズから
学ぶべき理由とは?

社会的企業の経営は、今や一般企業にとっても“未来のスタンダード”になりつつあります。

ESG・人的資本経営・地域共生・サステナビリティなど、社会的価値を軸にした経営が求められる中で、ソーシャルエンタープライズの発想と実践は、新規事業の創出や既存事業の再構築、サプライチェーンの再設計に直接つながります。

社会課題の現場から学ぶことは、単なるCSRではなく、社員一人ひとりの意思決定力や企画力を磨く「実践的な経営学習」でもあります。

社会課題を題材にした学びが“経営の筋力”を鍛える

社会課題を解くには、顧客・当事者の理解から、提供価値・価格設定・制度・競合・パートナー関係までを一貫して考える必要があります。

その過程では、短期的な利益だけでなく、「誰にとっての価値か」「どのくらいの期間で成果が出るかといった長期的視点が欠かせません。

こうした設計を体験することで、社員は「現場のリアリティ」「制度の制約」「市場の論理」を同時に見渡す力を養い、矛盾のない事業ストーリーを描ける“経営視点”が育ちます。

リディラバの企業研修プログラムで得られる学び

私たちリディラバは、社会課題の“現場”に根ざした研修設計を強みとします。単なる視察に終わらず、事業仮説の検証と実装に踏み込むのが特徴です。

現地の当事者・自治体・企業・NPOと協働しながら、参加者の意思決定を実務レベルに引き上げます。

現場フィールドワークと課題解決ワークショップの設計

  1. 事前講義(課題構造・制度・市場)
  2. フィールドワーク(当事者・関係者ヒアリング、価値仮説の再定義)
  3. 事業化ワーク(提供価値/価格/供給設計/収支/KPI)
  4. 経営会議想定プレゼン(社内稟議資料の雛形まで)

という流れで、現場の“生”の情報を事業設計に変換します。

インパクト提案書づくり:社会的アウトカムとKPIをつなぐ

インパクトは“言い切り”が肝心です。「誰が」「いつまでに」「何を」「どの程度」変えるのかを定量化し、測定可能なKPIに落とし込みます。

アウトカム指標は事業KPIとセットで管理し、追跡可能なダッシュボード化を支援します。

役員・自治体・NPOとの協働で実装力を高める

社外関係者との協働は、計画の実効性を高めます。提案段階から関係者の視点を反映させ、契約・実装・検証までの“摩擦点”を早期に特定します。

これにより、企画倒れを防ぎ、社内事業など。資金条件とインパクトが矛盾しないよう、KPIと条項をセットで設計します。

リディラバのフィールドアカデミー/越境学習プログラムとは?

「自社の人材要件や事業テーマに合うのか?」「どこまで実装に踏み込めるのか?」その疑問に個社の事情を踏まえてお答えします。

リディラバのフィールドアカデミーは、社外の社会課題×多業種協働を通じて、課題設定力・巻き込み力・検証力を一気通貫で育成するのが特徴の越境型プログラムです。

新規事業アイデアのタネ探しや、既存事業の再定義、企業の採用・ブランド力強化への波及までオーダーメイドに設計可能です。

まずは10分の事前ヒアリングから最短で導入イメージを描きましょう。

日程調整は下記ボタンからお気軽にどうぞ。

よくある質問(FAQ)

ソーシャルエンタープライズに関して多い質問に簡潔に回答します。なお詳細はリディラバの研修・資料で個社ごとにカスタマイズ可能です。

NPOとソーシャルエンタープライズの違いは?

NPOは“非営利”という属性で括られますが、ソーシャルエンタープライズは“社会目的×事業性×再投資”という運営原則で捉える概念です。

法人形態に限定はなく、株式会社でもNPOでも“中身”が重要です。

日本で「ソーシャルエンタープライズ(社会的企業)」を名乗るための条件はある?

単一定義はありません。実務的には、目的の明文化、利益の再投資原則、ガバナンス、インパクト測定・開示などの原則を整え、ステークホルダーと合意することが鍵です。

有名な日本の社会的企業は?

教育・福祉・地域・環境など多分野に存在します。具体的には、以下の企業が挙げられます。

  • マザーハウス:「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもと、素材調達から販売までを自社で設計し、現地の雇用とブランド価値を同時に生み出しています。
  • LITALICO:「障害のない社会をつくる」を掲げ、教育・就労支援の事業を通じて、社会課題をビジネスとして継続的に解決する仕組みを構築しています。
  • ボーダレス・ジャパン:世界各地で社会起業家を支援し、複数の社会課題解決型事業を同時展開する“共創型モデル”を実現しています。

共通するのは、当事者起点で価値を定義し、複線型の収益と制度連携、データに基づく改善で持続性を高めている点です。

本業と両立する形でソーシャルビジネスを始められる?

可能です。まずは小規模なパイロットを事業部の延長で動かし、顧客・当事者の行動変容と単価/コストのバランスを検証します。成功要因が見えた段階で、資金・人材・制度を増やしていきます。

まとめ

ソーシャルエンタープライズとは“社会価値を軸に利益を手段化するビジネス” です。

ソーシャルエンタープライズは、社会価値の創出を目的に、利益を“手段”として活用する経営モデルです。

日本では法形式の自由度が高い分、運営原則・ガバナンス・インパクト測定の設計が競争力になります。