アサーティブコミュニケーションとは?組織やチーム、人材の育成に欠かせない良質なコミュニケーションです!

アサーティブコミュニケーションとは、相手を尊重しながら自分の意見を率直に伝えるスキル。
4原則・実践例・DESC法、トレーニング方法・デメリットをわかりやすく解説。リディラバの企業研修で、心理的安全性とハラスメント防止を実現し、”共に考える”組織づくりを支援します。
目次
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アサーティブコミュニケーションとは?
企業が今注目する理由

現代の企業環境は、多様な価値観・働き方が混在し、従来のような上下関係や一方的な指示では成果が上がらない時代に変化しています。その中で注目されているのが「アサーティブコミュニケーション」です。
アサーティブコミュニケーションとは、「自分も相手も大切にしながら、率直に意見を伝え合う」コミュニケーションのあり方を指します。
英語の “assertive” は「積極的な」「自己主張する」という意味を持ちますが、ここでの主張は「相手を尊重したうえでの自己表現」という点に特徴があります。
心理的安全性が重視される今、アサーティブな姿勢はチームの信頼関係構築やエンゲージメント向上に直結します。
また、私たちリディラバが提供する企業研修の中でこのテーマを扱うのは、単なるスキル習得にとどまらず、「対話を通じて課題を共に解決できる文化やスキル」を育むことが目的だからです。
アサーティブコミュニケーションの定義と意味
アサーティブコミュニケーションの定義は、「自分の意見や感情を率直に伝えつつ、相手の立場や感情を尊重する」ことです。
ポイントは「自己表現」と「他者尊重」の両立です。どちらか一方に偏ると、攻撃的(アグレッシブ)あるいは非主張的(ノンアサーティブ)なコミュニケーションになり、関係性が崩れます。
従来の「遠慮」「強要」ではなく“対等な関係”を築くスキル
日本の職場では、遠慮や忖度が美徳とされる一方で、上からの一方的な指示も根強く残っています。アサーティブコミュニケーションは、この二項対立を超えた“対等な関係性”をつくるスキルです。
「上司だから」「年上だから」と立場に縛られず、事実をもとに率直に話し合うことで、チームや組織内の風通しがよくなります。
アサーティブコミュニケーションの原則について
人を尊重しながら率直に伝える方法

アサーティブコミュニケーションには、行動の指針となる4つの原則があります。それが「誠実・率直・対等・自己責任」です。
これらを意識することで、相手を傷つけず、自分も我慢しすぎない伝え方が可能になります。さらに、これらの原則を具体的に実践に落とし込むための技法として、DESC法があります。
4つの基本原則「誠実・率直・対等・自己責任」
- 誠実:嘘をつかず、相手にも誠実であること。 相手とのコミュニケーションにおいて、自分の言葉・行動に真摯であることが、信頼関係を築く土台になります。
- 率直:遠回しではなく、感情や意見を自分の言葉で伝えること。「私はこう感じています」という “I メッセージ” を使い、自分の思いを率直に表現しましょう。
- 対等:立場や肩書に関係なく、相互にリスペクトすること。 誰に対しても、「私もあなたも対等です」という前提でコミュニケーションをとることが重要です。
- 自己責任:自分の発言や行動に責任を持ち、結果を受け入れること。 自分が発した言葉や提案がどう受け止められたか、あるいは受け止められなかったかについても、自ら振り返る姿勢が必要です。
これらの原則を踏まえると、「正直に話すこと」と「無神経に話すこと」は異なるという点に気づかされます。アサーティブとは、正直さと配慮の両立なのです。
DESC法の紹介:誠実・率直・対等・自己責任を実践に移す技法
DESC法は、アサーティブコミュニケーションを実践するための枠組みで、以下の4つのステップから構成されます。
- D:Describe(描写):まず、状況・事実を客観的に描写します。感情や推測を含まず、「何が起きているか」を伝えることがポイントです。
- E:Explain/Express(説明/表現):その事実に対して、自分がどのように感じているかを「私は…と感じています/考えています」という形で伝えます。相手を責めるのではなく、自分の内側から出る言葉を使います。
- S:Specify(提案):改善や対応を図るために、自分から具体的な提案をします。「こうしてほしいのですがどうでしょうか?」という依頼・協議の姿勢が重要です。
- C:Choose(選択/結果):提案に対して相手がどう反応するかを想定し、代替案や次の選択肢を用意します。どの選択肢を選ぶとどんな結果があるかを説明することで、双方にとって納得のいく方向を探ります。
このDESC法を用いることで、「誠実」「率直」「対等」「自己責任」の4原則が、実際のコミュニケーションにおいて意識的に使える技術として定着します。
今から取り組めるアサーティブコミュニケーションの例
職場・1on1・チームミーティングで活用しよう

実際の職場では、言葉の選び方が人間関係や成果に大きく影響します。ここでは、典型的な場面別に「言い換え例」を紹介します。
場面によってはさらにDESC法によりより丁寧なコミュニケーションも必要となるでしょう。
上司と部下の間で起こりがちなシーン別「言い換え例」
- ✕「なんでまだ終わってないの?」
- 〇「進行が遅れているようですが、何かサポートが必要ですか?」
- D(描写):「現在このタスクの進行が予定より遅れています。」
- E(表現):「私は、この遅れが次の工程に影響を及ぼすかもしれないと感じています。」
- S(提案):「必要なら、どこでつまずいているか一緒に確認できますが、どうしましょうか?」
- C(選択):「これで進められるか、あるいは私がフォローに入るか、お選びいただけます。」
- 〇「進行が遅れているようですが、何かサポートが必要ですか?」
- ✕「早くやってください」
- 〇「この件を今日中に終えたいので、優先的にお願いできますか?」
- D:「このタスクは今日中の完了が望まれています。」
- E:「私は、明日の準備時間を確保したいと考えています。」
- S:「優先的に取り組んでいただけると助かります。」
- C:「もし難しければ、別のタスクを後回しにするか、私が支援を入れましょうか?」
- 〇「この件を今日中に終えたいので、優先的にお願いできますか?」
オンライン・リモートワーク時に使えるアサーティブな言葉
リモート環境では、非言語情報が伝わりにくく、誤解が生まれやすい傾向があります。 そのため、柔らかい依頼表現を使うことが大切です。
- 例1:「今すぐお願いします」 →「可能であれば○時までにご対応いただけると助かります」
- 例2:「このデータも今すぐ共有してください。」 →「こちらのデータを本日中に共有していただけると、次の工程がスムーズに進められます。可能であれば○時までにいただけますか?」
部下育成における「聴く姿勢」と「率直な伝え方」
マネジャーがアサーティブであることは、部下の安心感を高めます。評価や指摘をする際も、「行動」ではなく「人格」だけで評価しないよう意識しましょう。
- 例1:「この報告書、ミスが多いからもっと気をつけてください」 →「この報告書で誤字脱字が複数見られたので、次回は提出前にチェックリストを活用して体裁も整えてもらえますか?一緒にチェック項目を作ることもできます。」
- 例2:「ミーティングで発言が少なすぎるので、もっと意見を出して」 →「先日のミーティングで、発言の機会が限られていたように感じました。あなたの視点もぜひ活かしたいので、次回は準備したご意見を一つ共有してもらえますか?時間の都合があれば事前に伺っても構いません。」
心理的安全性を守るアサーティブな会話の構造
構成は上の改善例のように「事実+気持ち+要望+代替案」でまとめるとわかりやすく、相手も安心して受け入れやすくなります。
DESC法の流れを意識すれば、攻撃的でも受け身でもない“中立的な対話”が可能です。
アサーティブコミュニケーションと
ハラスメントの関係性

アサーティブコミュニケーションは、ハラスメント防止にも有効です。攻撃的な言動を避け、相手を尊重する対話を行うことで、心理的な圧力を減らすことができます。
ハラスメントを生まない「伝え方」「聞き方」とは
ハラスメントは、多くの場合「伝え方の問題」から生じます。 アサーティブでは、「命令」ではなく「依頼」「提案」という形で伝えることを基本とします。
受け手が“尊重されている”と感じる言葉が大切です。
攻撃的な主張とアサーティブの違い
アグレッシブな主張は「相手に勝つこと」を目的としますが、アサーティブは「相互理解」を目的とします。たとえ意見が対立しても、対話を通じて妥協点を探る姿勢が重要です。
パワハラ・モラハラを防ぐ職場文化のつくり方
アサーティブコミュニケーションを組織文化に取り入れることで、上下関係による圧力が減り、心理的安全性が向上します。
特に管理職向け研修では、実際のハラスメント事例をもとに「どう伝えるか」をロールプレイ形式で学ぶことが効果的です。
アサーティブコミュニケーションの
デメリットと注意点

アサーティブコミュニケーションは理想的なスキルですが、万能ではありません。状況によってはうまく機能しない場合や、誤解を招くこともあります。
うまく伝わらないと“自己中心的”に受け取られるリスク
誤ったアサーティブは、「自分の意見を押し通す人」と誤解されがちです。大切なのは、「伝える目的が相手との関係をより良くするため」であることを忘れないことです。
アサーティブが通用しにくい状況とは
時間が限られた緊急時や、上下関係が厳格な場面では、アサーティブよりも迅速な指示が求められることもあります。状況に応じて柔軟にスタイルを切り替える判断力も重要です。
デメリットを克服する3つの工夫(準備・相手理解・タイミング)
- 準備:感情を整理してから伝える
- 相手理解:相手の価値観を把握する
- タイミング:冷静に話せる時間を選ぶ
これらを意識することで、アサーティブの失敗を防ぐことができます。
状況に応じて「意見を言うこと以外の選択」も柔軟に
時には沈黙や距離を取ることも、最善の選択肢です。アサーティブは「常に意見を言うこと」ではなく、「適切に伝えること」を意味します。
アサーティブコミュニケーションのトレーニング方法
リディラバの研修も踏まえてチェック

ここでは実際にアサーティブコミュニケーションを鍛えるためのトレーニング方法と、リディラバではどのように行っているかについてご紹介します。
アサーティブコミュニケーションを鍛える3つの基本ステップ
アサーティブコミュニケーションを鍛えるために気をつけることは以下の三つのプロセスを踏むことです。
- 自己理解:自分がどんな傾向を持つかを振り返る
- フィードバック:他者からの視点を通じて気づきを得る
- ロールプレイ実践:実際の職場シーンで練習する
この3段階を繰り返すことで、自然なアサーティブな対応ができるようになります。
リディラバが注目する背景
多様性・心理的安全性・共創型リーダー育成との関係
リディラバは「社会の無関心を打破する」を理念に、対話を通じた学びを重視しています。アサーティブコミュニケーションは、多様な背景を持つ人々が共に考え、行動するための基盤スキルです。
企業向け研修の現場でも、単なる“伝え方”を学ぶのではなく、「どうすればお互いが安心して意見を出せるか」という心理的安全性の観点からアプローチされることが多く、これが、共創型リーダーを育成する第一歩なのです。
リディラバの共創型リーダー研修における実践
(フィールドアカデミー)
リディラバが提供する延べ8日間のフィールドアカデミーでは、まずチームビルディングとしてチームの目標やルールを決めます。
異業種混合チームで課題に取り組む過程で、参加者はアサーティブコミュニケーションの方法を模索することとなります。
毎回の個人振り返りに加えてDay7-8にはチーム単位での振り返りセッションを設け、チーム内での相互フィードバック、職場に戻ってからの宣誓の場を設定しています。
この取り組みによって実践を継続できる仕組みを支援しています。 アサーティブコミュニケーションは、リディラバの提供する共創型リーダーシップ研修の中核にも位置づけられています。
立場や役職を超えて対話するワークを通じ、意見の違いを尊重しながら意思決定する力を養います。
アサーティブコミュニケーションを
組織文化に浸透させるには?

組織にアサーティブ文化を根づかせるには、個人のスキルアップだけでなく、制度やマネジメント層の姿勢が重要です。
研修だけで終わらせない「継続学習」と「行動変容」
研修を一度受けただけでは定着しません。リディラバでは、研修後も社内での実践・共有・対話を継続できるよう伴走支援を行っています。
参加者にはプログラム終了後も1on1ミーティングを行い、参加者のさらなる成長をバックアップします。
リーダー層が担う心理的安全性のリーダーシップ
上司がアサーティブな姿勢を体現することで、部下は安心して意見を出せるようになります。リーダー自身が模範となることが、組織変革の出発点です。
リーダー層のアサーティブコミュニケーション育成研修が社内コミュニケーションの鍵となるかもしれません。
リディラバの企業研修で“対話力のある組織”を育てる
リディラバの提供するフィールドアカデミーは、実際の社会課題の現場を舞台とします。
理想状態や仮説の設定から事業案の検討・検証までの一連の経験を通じて、周囲とのコミュニケーション・合意形成力・困難に立ち向うマインドなどの非認知能力と「共に考える文化」を養います。
異業種のチームメンバーや社会課題の多様なステークホルダーと合意形成を目指していく過程でアサーティブな対話力が求められ、ブラッシュアップされていくでしょう。
まとめ
アサーティブコミュニケーションは、信頼関係を築き、心理的安全性の高い職場をつくるための重要なスキルです。相手の立場を理解し、自分の感情を誠実に表現することが、信頼関係の礎になります。
ともに考え、よりよく協働する組織文化を作っていくために、リーダー層をはじめとするアサーティブコミュニケーションの意識とスキルが求められます。
