フィールドアカデミーLITE2026|『空き家問題』をテーマに、取り組むべき課題・解決策を設定し、京都市に向けて提言せよ』実施レポート
#プログラム実施後のレポート#企業研修の導入事例#注目のコンテンツ

株式会社Ridilover(所在地東京都文京区、代表取締役:安部敏樹、以下:リディラバ)と株式会社ツナグム(所在地:京都市上京区、代表取締役:田村篤史、以下:ツナグム)は、2026年6月~7月にかけて、京都市を提言先に迎えた異業種合同の短期・越境プログラム:フィールドアカデミーLITEを開催致しました。
フィールドアカデミーLITEとは
フィールドアカデミーLITEは、異業種混成のメンバーがチームを組み、4日間(延べ2週間〜2ヵ月の期間内)を通じて、社会課題の現場でのフィールドワークや関係者との対話を通じたデスクリサーチを重ねながら、正解のない課題解決に挑戦する、越境プログラムです。
これまでは、業務上のご都合やご家庭の事情から長期での越境学習への参加が難しかった人材や、限られた予算の中で越境学習を導入できなかった企業さまの声を受け、短期集中で導入・参加しやすい形式のプログラムとして設計されています。
◆本プログラムの参加企業:7社12名(アイシン、カンパニートラスト、京都信用金庫、三五、マルイグループ福祉会、三菱重工業、ほか ※五十音順・敬称略)
京都市を提言先に巻き込んだ、地に足付いた地域課題解決プログラム
プログラムのテーマは、京都市が抱える「空き家問題」です。
2023年の住宅・土地統計調査では、日本の住宅の13.8%が空き家となり、その割合は過去最高を更新しました。少子高齢化や人口減少を背景に、この傾向は今後も続くと見込まれています。
しかし、空き家問題の本質は単に「空き家が増えること」ではありません。本来活用できる建物が使われないまま放置されることで、人の営みや地域の文化、コミュニティが少しずつ失われていくことこそが、この問題の深刻さです。
一方で、空き家の活用は容易ではありません。相続や権利関係などによって所有者が意思決定できないケースや、建物の老朽化、接道条件などの制約から市場で流通・活用されにくいケースも多く、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
特に京都では、歴史ある都市ならではの成り立ちが、空き家問題をより複雑にしています。路地に面した再建築が難しい物件や、相続人が多数に及び意思決定が難しい物件など、建物そのものだけでは解決できない課題が存在します。また、人口流出や相続によって、不動産の所有や活用に関する意思決定者が地域外へ移転することで、人の営みや地域が長年育んだ文化、コミュニティ、経済的な価値が、地域の中で循環しにくくなるという側面もあります。

『空き家問題』というテーマは、建物の利活用に限りません。有形無形の地域資産・地域の価値の循環を、いかにして未来へ繋ぐことができるかを問うものでもあります。
こうした現状を踏まえ、本プログラムでは、京都市役所で空き家対策を担当する都市計画局住宅室住宅政策課をプログラムパートナー・最終提言先にお迎えし、プログラムを催行しました。
また、プログラムの各セッションには、本テーマに関連して、不動産・地域金融機関・まちづくり・アカデミックなどの領域の異なる多様なキーパーソンの方々にもご協力いただきました。参加した企業人が、多様な視点・インサイトをもとに自ら地域課題を捉え直し、取り組むべき課題と解決策を考え、京都市へ提案する実践的なプログラムとして設計・運営を行いました。
プログラムでの実施内容と成果
プログラムは4日間延べ3週間を通じて、開催しました。

■ DAY0(当日まで)|取り組むテーマに対するゼロ次仮説づくり

・事前課題として、「京都市の『空き家問題』の課題と取り組むべき解決策の0次仮説」に関するデスクリサーチ
■ DAY1(2026/6/26)|チームアップや提言先との対話、フィールドワークを通じ、異業種メンバーと共に、チームとして取り組む課題・解決策の一次仮説を形成



- 異業種合同メンバーとのチームアップ
- 事前課題の共有/理想状態の定義
- プログラムパートナー・提言先である京都市からの初回レクチャー・対話セッション
- 京都市の空き家物件視察・フィールドワーク
提言先とともに、京都市の『空き家問題』に関するレクチャー・対話などの構造に関する学びと、実際の空き家物件を視察する現地現物の学びを通じて、参加者同士が事前に準備してきたゼロ次仮説を更新。次回現地セッションに備えます。
■ DAY2-3(2026/7/9-10)|異なる領域から『空き家問題』に関わるキーパーソンらとの対話を通じ、仮説検証のサイクルを高速で回し、実態に即した解決策の策定に挑戦



- 領域の異なる、『空き家問題』のキーパーソン・有識者との対話・壁打ち
- 京都光華大学 社会学部社会共創学科 教授 大島 祥子 氏
- 京都R不動産 代表/株式会社51Action R&D 代表取締役 水口 貴之 氏
- 株式会社都市機能計画室 代表取締役 榊原 充大 氏
- 提言案に対する中間レビュー
参加者は更新を重ねた仮説を現地のイノベーターや社会課題解決のプレイヤーにぶつけ、高速で検証を行います。また、メンバー同士での対話や事務局との壁打ちを重ね、最終発表に向けた解決策の実装可能性を探ります。
■ DAY4(2026/7/30)|提言先に向けた最終発表と、課題解決の全プロセスを通じた学び・気づきの収穫

- 最最終発表会(提言先である、京都市都市計画局住宅室住宅政策課の方々に向けた、課題と解決策の発表)
<参加者による提案一覧>- Aチーム:職域連携型・空き家予防/社宅活用モデル
企業を入口に、従業員が親世代の空き家・相続を「ジブンゴト化」する機会設計。また、京都市の空き家を域内企業の社宅活用までつなげることで、空き家の発生予防と空き家の地域内循環、社宅による企業の採用サポートを目指す。 - Bチーム:非金銭価値を組み込んだ空き家利活用モデル
高度成長期に建てられた住宅など、市場価格の需給が合わず流通しにくい空き家について、所有者の「売りたい価格」と利用者の「買いたい価格」の差分を、地域とのつながりや地域活動への参加などの非金銭価値として組み込む、新たな空き家活用モデルを提案。 - Cチーム:地域金融機関が適切なタイミングで訴求する空き家シミュレーター
相続人が亡くなり、預金口座を凍結するタイミングで地域金融機関に来店する際に、住所や建物情報から地域の相場や活用事例、放置リスクなどを可視化するシミュレーターを提供。空き家の価値・可能性を考える機会作り、身近な空き家相談員への相談・売却・活用などの具体的な行動につなげていく。 - Dチーム:地域金融機関による柔軟な空き家活用提案+空き家予備軍への啓発モデル
相続発生時に金融機関から空き家の利活用を提案し、不動産事業者と連携して所有者一人ひとりに合った活用方法を提示。金融機関での終活セミナーや高齢者講習、小学校での教育啓発を通じて、空き家の発生予防と活用の促進を通じた課題解決を行う。
- Aチーム:職域連携型・空き家予防/社宅活用モデル
- 課題解決の全プロセスを振り返り、学び気づきの事業・業務への接続
4チームより提案を発表。京都市役所ほか、同席した不動産会社や地域金融機関のご担当など、関係者の生の意見に触れながら、最終的には空き家対策のご担当の皆様からの結果・フィードバックをお伝えします。
正解がない複雑な課題解決の手応えと難しさを実感したのち、参加者自身がプログラム期間で体験した課題解決の全プロセスを振り返り、自社や自分自身が取り組む業務と接続し、プログラムは幕を閉じました。
プログラムにご協力頂いた京都市ご担当者のコメント
「皆さまが本気で課題に向き合われた熱量と検証プロセスは、京都市が今後の空き家対策を前進させる上での大きな道標」
今村さま
今回、我々は初めてこの取組に参加させていただき、皆様より、視点を変えた画期的なご提案を多数いただきました。「その発想はなかった」「すぐに実践できそう」と感じたものもあり、皆様が空き家問題について本気で考えていただいた提言は、本市にとって大きな財産となりました。
提言に盛り込まれたアイディアの実現には検討課題も残りますが、皆様の真剣な想いがこもったご提案であることをしっかり受け止め、今後の空き家対策を飛躍させるための羅針盤として大切に活用させていただきます。
この度の検討が、皆様の職場においても新たな視点や取り組みのきっかけとなれば幸いです。それぞれの場所でご活躍される皆様と、また次の機会に協力し合えることを願っております。
尾崎さま
京都特有の狭小密集地や再建築不可といった、現場が直面する高い壁に対し、民間ならではの視点から現実的かつクリエイティブな解決策を提示いただいたことに深く感銘を受けました。
参加者の皆さまが本気で課題に向き合われた熱量と検証プロセスは、京都市が今後の空き家対策を前進させる上での大きな道標となります。京都の未来につながる素晴らしい提言をいただき、心より感謝申し上げます。
プログラム参加者の声
「生の声に触れ、その言葉の重みや現実の厳しさを目の当たりにすることで、 課題を自分ごととして捉え、向き合うことの大切さを実感」

コミュニティ・バンク京信 鈴木さま
VUCA時代の中で、前例踏襲だけでは解決できない「正解のない課題」に対して、自分自身の視野や考え方を広げたいという思いから、本研修に参加しました。
研修テーマは当金庫の営業エリアである「京都市の空き家問題」であり、使命感を持ちながら現場で課題に取り組む関係者の方々と対話を行いました。生の声に触れ、その言葉の重みや現実の厳しさを目の当たりにすることで、課題を自分ごととして捉え、向き合うことの大切さを実感しました。
提言づくりでは、自分たちが理想とする状態に向け、何度も議論と壁打ちを繰り返しながらボトルネックとなっている要因は何かについて問い続けました。「正解がない課題」だからこそ本質的な課題を捉える重要性を学びました。
また、他チームの提言で、空き家の発生防止に向けた金融機関の重要性について言及されており、改めて地域金融機関として空き家問題を考える貴重な機会となりました。普段交わることのない社外の方々と一つのテーマに本気で向き合うことで、自分一人では生まれなかった発想や気づき、参加者同士の絆を得ることができました。 今回の研修を通じて得た新たな視点を日々の業務に活かすとともに、周囲との対話を大切にし、本質的な課題を捉えることで「正解のない課題」に向き合い、解決できるよう尽力したいと思います。
ご関心を持っていただいた企業の皆さまへ−26年度開催プログラムのご案内
本年度開催予定のフィールドアカデミー・フィールドアカデミーLITEですが、次回は2026年12月〜2027年2月を予定しております。

テーマは、「若者の孤独孤立と雇用の未来」。地縁社会の希薄化・核家族化が進んだ現代、若者の16人に1人が社会からの孤立を経験しています。この「働きたいけれど働けない」という現状から生まれる社会からの「望まぬ孤立」問題は、2000年代から行政も課題解決に取り組む一方で、いまだ社会として取り組むべき重大な課題の一つです。
本プログラムでは、孤独・孤立の中で、支援からこぼれ落ちた若者の「社会への再挑戦」を後押しする現場に触れ、まだ見ぬ未来の「はたらくこと」「生きること」と社会の関係性の問い直しに挑戦します。
人材育成や事業開発を中心に、幅広い企業のご担当者さまからのお問い合わせをお待ちしています!
リディラバの企業研修は貴社のこんな課題にフィットします。
以下のような課題をお持ちの企業さまに特におすすめです。
- 育児・介護、業務繁忙で、これまで越境学習に参加できなかった従業員に、成長機会を設けたい
- 短い期間でも、社会課題のフィールドリサーチや対話、正解のない課題解決の機会を作りたい
- 金額・拘束時間のハードルを低く、なるべく多くの従業員に良質な越境学習の機会を提供したい
ほか、人材育成や新規事業開発などを軸に、各社が抱えている課題に応じて、ゼロからプログラムをご提案いたします。
リディラバの企業研修でよくある質問(FAQ)
Q1. 異業種合同の越境プログラムに限らず、期間や場所を柔軟にカスタマイズできるプログラムはありますか?
A. はい。取り扱うテーマ・現場の設定や数、開催日数(短時間~複数日程)、開催形式(オンライン・オフライン・ハイブリッド…)など、目的に応じて、オーダーメイド型で設計可能です。
Q2. 研修前の対応や研修後の定着支援はありますか?
A. はい。研修前においては、説明会の実施や公募の人選、事前学習のサポート等など対応しております。研修後には、フォローミーティングや継続提案のサポート、報告会の開催などの実施も可能です。
リディラバでは、企業の目的・事業課題に合わせてオーダーメイドで越境学習・企業研修を提供しています。 資料請求・ご相談をお待ちしております。
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