【企業人事必読】メンター制度はいらない?メリット・デメリットから実用的な運用方法を解説!

メンター制度とは何か、何をする制度なのかを分かりやすく解説します!
メリット・デメリットや「いらない」と言われる理由、手当・評価の考え方まで網羅。導入200社以上の企業向け研修を行うリディラバの視点から、形骸化しないメンター制度設計のポイントを紹介します。
目次
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メンター制度とは何か?
企業が導入する本来の目的

メンター制度とは、企業内において一定の経験を持つ社員(メンター)が、若手社員や新入社員(メンティー)に対して、業務だけでなく心理的・キャリア的な側面も含めた支援を行う制度です。
一般的には、直属の上司とは異なる立場の社員が担当することで、評価や業務指示から切り離された「相談できる関係性」をつくることを目的としています。
多くの企業がメンター制度を導入する背景には、若手社員の早期離職やエンゲージメント低下といった課題があります。
特に、業務内容そのものよりも「職場での人間関係」「自分がこの会社で成長できるのか分からない」といった不安が離職理由になるケースは少なくありません。
メンター制度は、こうした不安を早期に受け止め、本人の内省や言語化を支える仕組みとして期待されています。
一方で、制度が「導入すること」自体が目的化してしまうと、本来の効果は発揮されません。単なる雑談係や形式的な面談制度になってしまうケースも多く見られます。
だからこそ、メンター制度は「人を育てるとは何か」「組織として何を支援したいのか」という思想とセットで設計される必要があります。
メンター制度で「何をする」のか
役割と具体的な関わり方

メンター制度の役割が曖昧なまま導入されている企業は少なくありません。
メンターの役割は、業務を教えることでも、評価を下すことでもありません。主な役割は、メンティー(受け手)が自分自身の状況や感情、考えを整理し、言語化するプロセスを支援することにあります。
メンターの基本的な役割
メンターが担う役割の中心は「問いを通じた支援」です。
たとえば、「今、何に一番困っているか」「それはなぜだと思うか」「自分ではどうしたいと感じているか」といった問いを投げかけることで、メンティー自身が内省を深めることを促します。
ここで重要なのは、安易に答えや正解を与えないことです。メンター制度がうまく機能しないケースの多くは、メンターが「先輩としての正論」や「経験談」を一方的に語ってしまうことにあります。
それでは、メンティーは一時的に安心しても、自分で考え、判断する力は育ちません。
メンターと上司・OJTとの違い
メンター制度は、OJTや上司によるマネジメントと混同されがちですが、役割は明確に異なります。
OJT(On-the-Job Training)は、職場の実際の業務を通じて上司や先輩社員が部下・新入社員に必要な知識やスキルを指導する教育手法です。
OJTは業務スキルの習得が目的であり、上司は成果や評価に責任を持ちます。
一方、メンターは成果責任を持たない立場だからこそ、本人の迷いや葛藤を安心して話せる関係性を築くことができます。
メンター制度のメリットと
見落とされがちなデメリット

メンター制度には多くのメリットがある一方で、課題や限界も存在します。ここでは両面を整理します。
メンター制度の主なメリット
最大のメリットは、若手社員の心理的安全性が高まることです。悩みを一人で抱え込まずに済むことで、ストレスや不安が軽減され、結果として離職防止やエンゲージメント向上につながります。
また、メンター自身にとっても、人を支援する経験を通じて視野が広がり、マネジメント力や内省力が高まるという効果があります。
さらに、組織全体としても、縦横のつながりが生まれ、暗黙知や価値観が共有されやすくなるというメリットがあります。
メンター制度のデメリットと失敗要因
一方で、よく指摘されるデメリットは、メンター側の負担増です。本来の業務に加えてメンター業務を担うため、時間的・精神的な余裕がないと形骸化しやすくなります。
また、制度の目的や役割が明確でない場合、「とりあえず面談するだけ」の制度になり、効果が見えにくくなります。
もう一つの大きな課題は、相性や支援の質のばらつきです。メンター自身が内省や対話に慣れていない場合、善意であっても一方的な助言や価値観の押し付けになってしまうことがあります。
「メンター制度はいらない」と
言われる理由を構造的に考える

「メンター制度はいらない」という否定的意見が一定数存在する背景には、制度そのものではなく、運用や設計の問題があります。
多くの場合、「やっている意味が分からない」「成果につながっていない」という不満が蓄積した結果として、「いらない」という評価に至っています。
制度が形骸化する原因
メンター制度が不要だと感じられる最大の理由は、「何のためにやっているのか分からない」ことです。
目的が共有されていないまま導入されると、メンターもメンティーも「やらされ感」を抱き、形式的な面談だけが残ります。
また、メンターに対するサポートや評価がない場合、「負担だけが増える制度」と認識されやすくなります。その結果、制度そのものへの不信感が生まれ、「いらない」という声につながります。
本当に不要なのは制度か、それとも前提か
重要なのは、不要とされているのが「メンター制度」という仕組みそのものなのか、それとも「目的なき運用」なのかを切り分けることです。
前提や認知が変わらなければ、制度だけ導入しても意味を持ちません。
メンター制度に手当は必要か?
報酬・評価の考え方

メンター制度の設計ではメンターの負担と報酬の均衡が取れているか不安を抱く人もいるでしょう。結論から言えば、法律上、メンター業務に手当を支給する義務はありません。
しかし、制度を持続可能なものにするためには、何らかの形で評価や報酬に反映することが望ましいとされています。
厚生労働省が関わる「人材確保等支援助成金」などの助成金制度を活用するのも一つの手かもしれません。
手当を出さない場合のリスク
手当や評価が一切ない場合、メンター業務は「見えない仕事」になりがちです。その結果、熱意のある一部の社員に負担が集中し、制度の質が低下するリスクがあります。
特に、対話や内省を重視するメンター制度では、準備や振り返りにも時間がかかるため、負担感は想像以上に大きくなります。
金銭以外の評価設計という選択肢
一方で、必ずしも金銭的な手当だけが正解とは限りません。人事評価への反映、育成スキルを学ぶ研修機会の提供、キャリアパス上の位置づけなど、非金銭的な報酬も有効です。
メンター制度を学習と成長の機会として位置づけることで、主体的な関与を促すことができます。
リディラバの企業向け研修から考える
これからのメンター制度の在り方

これからのメンター制度に求められるのは、単なる定着支援ではなく、「人が自分の仕事や組織の意味を再定義する場」をつくることです。
リディラバが行う企業向け研修では、社会課題の現場に身を置くことで、自分たちの価値観や前提が問い直されます。そのプロセスで起こるのが「認知の揺さぶり」と深い内省です。
メンター制度もまた、日常業務の延長線上ではなく、一段高い視点から自分自身と組織を捉え直すための装置として設計されるべきです。
そのためには、メンター自身が問いを立て、対話を支える力を身につける必要があります。 制度を「いらないもの」にしないために重要なのは、目的・役割・支援スキル・評価の設計を一体として考えることです。
リディラバの企業向け研修が提供するような、本質的な問いと内省の機会は、メンター制度を形骸化させず、組織の学習を促進するための大きなヒントになるでしょう。
まとめ
メンター制度は、若手社員の定着や成長を支援する有効な仕組みである一方、目的や運用が曖昧なまま導入すると「いらない制度」と捉えられてしまいます。
重要なのは、何をする制度なのかを明確にし、メンター自身の内省や対話力を育てることです。